0905ashiのブログ

毎回オリジナル写真を一枚掲載し、それにまつわる自分の思いやエピソードを書き記します。写真版絵日記のようなものです。

たかが薬味、されど薬味。

一枚の風信子131


自分勝手な男は山ほどいる。
でも、見てくれがいいほど、その勝手さが際立って見えてきて腹立たしい時がある。その人の本性が分かってしまい、外面との違いについ驚いてしまうのだ。
ある広告会社に勤めていた頃の同僚のことだ。彼はデザイナーとして雇用されたのだが、外見が日本人離れしていた。身長175~6センチの痩せ型で、長足・彫りの深い小顔のハンサム青年。おまけに剣道3段で、アメリカ留学の経験ありとくれば、ため息の出る女性も少なくないだろう。海外では、よくギリシャ人に間違われたと言うのも、まんざら嘘ではないと思えるほど。
この男の印象を変えたのが、夜食に注文した「もりそば」の一件。届くとすぐに食べだした彼の「薬味」の多さにびっくり。5人前分の刻みネギの3分の2くらいをひとりで取ってしまったのだ。後で食べる人のことを、まるで考えていない。最後に来た人は、ほんの2~3カケで我慢しなくてはいけなくなった。後に独立して事務所を持ったが、1年くらいでつぶしてしまったという。事務所の開設前に誘われて断ったら、「男は、腹を決めて勝負するもんだ」だって。「沈む船にゃ、だれも乗らない」よ。
彼の実家では幼稚園を経営しているという話で、そこの理事長に収まるということだが、なんとかつぶさないようにね。


「見るたびにあいつを思いだすなぁ」と、一枚パチリ。