0905ashiのブログ

毎回オリジナル写真を一枚掲載し、それにまつわる自分の思いやエピソードを書き記します。写真版絵日記のようなものです。

美しくなければ、 山女魚じゃない。

一枚の風信子3



ヤマメ(学名:Oncorhynchus masou、山女魚、山女)は、サケ目サケ科に属する魚であるサクラマスのうち、降海せずに、一生を河川で過ごす河川残留型(陸封型)の個体のこと。北海道から九州までの川の上流などの冷水域に生息する。(Wikipediaより抜粋)
「水清きところに、美しい魚棲む」。山女魚とは、実にいい得て妙なネーミングだと思う。シルバーグレイの肌に、パーマークと呼ばれる小判模様の班点をまとったその肢体は、まさに魚のミスユニバース。神奈川県・奥湯河原で、初めて釣りあげた時、この世のものとは思えないほどの美しさに胸キュン。しばらくの間ボウ然として見惚れたまま、時の経つのを忘れたものだ。以来恋し焦がれて30有余年、一体いくつの渓流をさまよい歩いただろうか。尺上と呼ばれる30cmを超える山女魚も上げたこともあれば、まったく姿を見ることなく糸を切られた経験もある。竿おろしのその日に、大物に穂先を折られたこと。対岸に渡るときに足を滑らして、大きな淵を腰長靴を履いたまま遊泳したことも。高巻をして登りきった所で、蛇と鉢合わせになって驚いたこと。幽霊が出ると脅された渓での大漁の思い出などなど。すべては、恋する君に出逢うための一里塚に過ぎなかった。


そして、2013年9月6日午後3時、
運命の女神が、突然微笑んだ。
ついに、絶世の君にめぐり会えたのだ。
体長約27 cm、パーマーク付きのパーフェクトボディ。
その渓の荒瀬の岩横に、彼女はいた。
納竿寸前のきわどいタイミングだった。


感謝感激のベストショットを、一枚パチリ。