0905ashiのブログ

毎回オリジナル写真を一枚掲載し、それにまつわる自分の思いやエピソードを書き記します。写真版絵日記のようなものです。

不思議な人、石原裕次郎。

一枚の風信子166



石原裕次郎という人は、とらえどころのない人だと思う。
まずは、類まれな存在感。これは多くの人が認めるだろう。スターには欠かせないものだが、この人の場合は、どこで何をやっても際立っていた。私がいちばん惹かれるのは、歌手としての裕ちゃんだ。うまさとかを超越した天性の色気を感じさせるんだ。その声と節回しは絶品で、男なら誰しもこういう風に唄えたら最高なんだけどなと、思うんじゃないだろうか。あれじゃ、男も女もみんな惚れちゃうよ。最近youtubeで聴いた「みぞれの酒場」という曲もその一つで、隅々まで細やかな情感が行き届いた、みごとな唄いっぷりだ。こんな人だから、本職の俳優としても、さぞかし名演技をみせるのだろうと思いがちだが、そうはいかないんだな。ひとことで言えば大根。セリフの棒読み、そらぞらしさは、学芸会並み。どの映画でも、石原裕次郎という存在感だけが大手を振って歩いているのだ。唄を歌うように、演技すれば凄いのにと思うほど。調べてみたことはないが、演技賞とは無縁の人でしょう。「歌は3分間のドラマ」というけれど、この大スターには当てはまらないようである。この人は「歌はうまいのに、演技はいただけない」というギャップをいつも感じさせる、私にとって不思議な存在なのである。



みぞれの酒場 ashi


3年前の東京の大雪風景を、一枚パチリ。