一枚の風信子147

住まいを購入するうえで、通風・採光を重視する方が多いのは当然のことだろう。うちのマンションの場合は全戸南向きで抽選だったが、東南北の３面採光の角部屋と南北の２面採光部屋とは、差額が100万円しかなかった。応募した時は、角部屋はすでに買い手が決まっていてかなり悔しい思いをしたものだが、300万円くらいなら高くてもほしかったのにと、カミさんと話したものだ。
私の知人は、それと正反対の選択をした。土地柄というブランドを優先させたのだ。場所は、あの山口百恵さんが住んでいる国立。と言っても、戸建の邸宅街の中ではない。駅歩1分の商店街の一角に建つマンションである。奥さんのたっての希望で決めたそうだ。便利なのは、行かなくても分かる。行ってみて驚いたのが、日当たりの悪さ。東向きのその住まいは、朝日が差してきたと思ったら、お昼になる前にまるで当たらなくなってしまうのだ。日照時間にして、わずか2時間あまり。もちろん、好みは人それぞれだけど、私ならたとえ半額でも買いたくはないな。ちなみに、うちとあまり変わらない広さなのに、値段は倍以上したと言う。

「日向ぼっここそ、わが生きがい」という姿を、一枚パチリ。