0905ashiのブログ

毎回オリジナル写真を一枚掲載し、それにまつわる自分の思いやエピソードを書き記します。写真版絵日記のようなものです。

穴あき野菜を喜ぶ人。

一枚の風信子79


兼業農家出身のウチのカミさんは、私が穴のあいた野菜を買ってくると喜ぶ。「少なくとも.虫が食べても大丈夫くらいの農薬しか使っていない」からだそうだ。逆に言えば、虫も食わないような、つまり穴ひとつあいてないような野菜は、怖くて食べられないということになる。彼女の知り合いの農家では、市場に出荷する野菜とは別に、家族専用の野菜を作っていたという。農薬を、いっさい使わない野菜を。ほんとうは、農薬たっぷりの野菜なんて作りたくはないのだが、そうしなければ、商品として売れないのだから仕方がない。葉物野菜、中でも甘みの強いキャベツが特に虫食いの被害が大きく、それだけ農薬をたくさん使うことになるので、気をつけたほうがいいとも言う。「人間と虫とは生命力が違う」と思う人がいたら、「あなた、殺虫剤を食べられますか」と聞いてみたい。


或る家庭で、たまにはと奮発してカニを食卓に出したら、カニかまぼこしか食べたことのない子どもから「お母さん、このカニ腐っている」と文句を言われたという話や、ニワトリの姿を目撃した子どもに、あれが唐揚げのもとだと教えたら「ウソでしょ」と冗談にされた話も聞いた。
世界に冠たる日本の食文化も、けっこう危ないところにきていると思う。


「穴ひとつ見当たらないキャベツの売り場」を、一枚パチリ。