一枚の風信子62

変な進学校に間違って入ちゃったのが、間違いのもとだった。運良く(運悪く)受かってしまったのが、とんでもなくつまらない中学・高校だった。もともと、私の成績では合格確立の低いところだったのに、「算数は答えだけ記入すればいい」というだけで教師にもしかしたらと薦められたのが吉(凶)と出た。途中の数式なんて書けない。正しいのは答えだけの全問正解だった。
以来、地獄の6年間が幕を開けた。大学といえば東大。あとは、おまけという受験予備校みたいなところで、最初の1年で公立校の2年分を詰め込んでしまうというスパルタ授業。それに、能力がついていけないのである。特に、数学がいけなかった。xとyの関係などまるで興味がなかったし、2次曲線がいったいこの世と何のつながりがあるのかと思っているうちに、瞬く間に落ちこぼれ。
ずっと裏街道を突っ走り、高校最後の学年では全校254人中246番という劣等生に。それまで、なにも文句言ったことがないおふくろが「お前、大丈夫かい？」と言ったね。大丈夫なわけないさ。それでも、ｗという大学のおまけ学部にもぐりこめたのだから、運は悪くはないのだろう。ただ、ひとことだけ言わせてもらうと、大学受験に青春のすべてを賭ける価値なんてあるのかね?

「足し算だけの料理はいいな」の一枚をパチリ。