杓子定規でしか、考えられない人。
一枚の風信子58
私は、社会科学部というおまけのような、訳の分からないところを出ている。デーモン小暮とかいう悪魔の御仁とは同期だ。最初の授業で、学部長が「社会科学とは常識を疑う学問である」と言った。気に入ったネ。息の詰まるような世の中に、爽風が吹き込まれた感じがした。以来、今日までずっと「座右の銘」としている。
コピーライター時代に、大手財閥系の不動産会社を担当になった時に、最初の仕事でこの手を使った。これまでの新聞折込用のチラシ制作の常識を変えたのだ。写真や完成予想図などは裏面に回し、格段に大きなキャッチフレーズを表面中央に据える。その周りに、コラム形式でメリット情報を伝えるという文字広告スタイルを採用した。業界初の試みだと思うが、情報を正確・簡潔に整理しただけのことだ。結果は、これまでの5倍のモデルルーム訪問客をもたらした。
後日、クライアントの広報担当の上役に呼ばれて出向いた。東大出のその課長は、私とチラシを何度も見比べながら、首をかしげて真顔で言った。「横書きを縦書きに変えたからかなあ?」私は笑って、何も言わなかった。
こういう人が世の中で幅を利かせているのか、と改めて感じた。
「近視眼」を魚眼で、一枚パチリ。
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