一枚の風信子42

台風一過の昨日、とっておきの渓に「山女魚」を釣りに行ってきた。
神奈川県の外れにある小さな渓流で、普段は水が少なくまったく釣りにならない。さすがにかなりの雨が降ったようで、田舎の小川とは思えないほど増水していた。対岸に渡るのも苦労するほどだった。2年ほど前に行った時もこんな状況で、釣果は17～21cmの「山女魚」が9尾だった。
異変に気づいたのは、最初に2尾の虹鱒(キャンプ場前のため、放流した魚の残りと思われる)を釣り上げてからのこと。その後に入れ食い状態で釣れるのが、すべて「油っぱや」と呼ばれる外道ばかりなのである。この魚は本来がもっと下流域にいるはずで、流れもゆるい泥底を好む。これほど水が澄んでいて水勢の強いところで、釣り上げたことは記憶にない。結果は「山女魚」0尾、「油っぱや」何10尾というさんざんなもの。この渓では、初めての惨敗である。
気候温暖化で魚や昆虫などの北限域が、どんどん上がっていると聞く。この渓流までも、影響を受けているんじゃないかと疑いを持った。

「山女魚」にフラレた渓流を未練がましく、一枚パチリ。