一枚の風信子27

昭和記念公園は、アマチュア・カメラマンのメッカ。どこもかしこも、カメラだらけと言っても過言じゃない。日本庭園横の大きなお花畑も人気の的。平日にもかかわらず、20人近くの人が、ぼくと一緒にシャッターを押していた。これじゃまるで、人気モデルの撮影会じゃないか。赤いポピーの方も注目されて、なおさら赤くなっているみたい。なんといっても、デジカメの普及が大きい。シャッターを押しさえすれば、カラーもピントもバッチリ。その場で出来ばえも確かめられるという手軽さ・便利さが受けるのだろう。値段も、ぼくの持っているバカチョンに近いカメラから数10 万円もするものまで多種多様で、好みで選べる。
この写真は、或る新聞社が企画した『新東京100景』とかいうフォトコンテストに応募したものだが、最終審査で落選した。１ヶ月前の新聞発表では、候補作として残っていたのに。その代わりに当選したのは、同じ場所なのに花の種類がやたらに多く咲き誇り、それを超広角レンズで撮影したもの。これって、技術の差じゃないよね。引かれ者の小唄じゃないけれど、同一条件でやらせてくれないかナと思った。

「心残りの風景を」、一枚パチリ。