0905ashiのブログ

毎回オリジナル写真を一枚掲載し、それにまつわる自分の思いやエピソードを書き記します。写真版絵日記のようなものです。

尺山女魚の光と影。

一枚の風信子155



釣りというとあの太公望のように、のんびりと釣り糸をたらしながら居眠りでもしている姿を連想されるようで、よく仕事仲間にうらやましがられたものだ。だが、釣り好きには短気な人が多いという説もある。そんな人が釣りに限っては、なぜか耐久心を発揮するのである。特に渓流釣りは、実にせわしない釣りの典型といえるもの。「夏山女魚は一匹一里」と言われるくらいに釣りづらいものだが、脚力勝負みたいになる。私の全盛時代は、一日約4km以上は釣り歩いた。車までの帰り道に、相棒が「タクシーはないのかよ」とボヤいたほど。
写真は、初めての尺山女魚。山梨県・桂川の本流で釣ったものだ。通い始めて2年近くかけて、ようやく挙げた。以来、この川の本支流で釣れた尺上級は、軽く両手を超えている。私のホームグランドにまでなった。それなのに、やがて行くことをやめてしまった。背骨がクランク型に曲がっている、変形山女魚が釣れるようになったからだ。20年ほど前に、そこの支流に高級で知られるスーパーの加工工場が出来てからだと思う。そこの工場わきの流れで釣った奇形魚が不気味で、今も忘れられない。かつて、多摩川の中流部で洗剤の泡だったような流れのところで釣ったヤマベという汚染魚に、そっくりの形をしていたのだ。


「食べられない魚は釣らない」と記念の魚拓を、一枚パチリ。