0905ashiのブログ

毎回オリジナル写真を一枚掲載し、それにまつわる自分の思いやエピソードを書き記します。写真版絵日記のようなものです。

水彩画が物語る、 花のメルヘンたち。

一枚の風信子8



「在るものを、在るがままに愛すること。在るがままに描くこと」。


野に咲く一輪の花、小さな実一つ、名も知らぬ草木に特に惹かれると作者は言う。
5月には珍しく、昭和記念公園の小さなお花畑には、暑い陽ざしがふりそそいでいた。ひとつの木製ベンチで隣り合わせた彼は、感心する私に「ただの写生ですよ」と照れてみせた。
この公園が好きという彼に、作品集を見せてもらった。はがきサイズの小さな画面に、どのひとつにも、いっぱいの生命感が花開いていた。或るものはみずみずしく、或るものはひっそりと、或るものはのびやかに…。
「どれでも一枚、お好きなものがあればお持ちください」と、まるで自宅で収穫した野菜をすすめるように言う。私にもらった紅茶一杯のお礼なのだそうだ。それではバランスがとれないと辞退すると、「気に入られて、もらわれてゆくのがいちばんでしょう」なんて笑いながら返される。花嫁の父じゃあるまいに。押し問答の末、ずうずうしくも左上の「みょうが」をいただいてしまった。結局、彼の絵の魅力に勝てなかったのだ。


「まあ、おいしそう」と、うちのカミさんは言った。


花のメルヘン

ダークと歌う仲間になりました。


昭和記念公園のベンチにて、作品の一部をパチリ。