0905ashiのブログ

毎回オリジナル写真を一枚掲載し、それにまつわる自分の思いやエピソードを書き記します。写真版絵日記のようなものです。

クレーム社会に、消えゆく風物詩。

一枚の風信子141



大晦日の風物詩『除夜の鐘』。この音を聴いて初めて新年を迎えた気がする、という人も多いだろう。しかしながら、近隣からの苦情で、自粛する寺が出てきているらしい。ネット上でも賛否両論があるというけれど、味気ない世の中になったね。
正月の『餅つき』も「集団食中毒の危険がある」からと、イベント禁止の地域が続出。また、「『盆踊り』の音がうるさい」というので、ラジオの電波をイヤホンで聴きながら踊るということに。「無音の盆踊り」なんて、傍から見たら異常だよね。他にも、『豆まき』は危険という理由で中止。秋田名物の『なまはげ』は、「子どもが怖がる」という苦情で「鬼がとても優しくなってしまった」なんていう本末転倒の話もある。


自分のプライバシーを守るという名のもとに、何かが失われてゆく。それは、日本の風物詩や伝統行事だけではない。風情とか、人情とか、温もりとか、ふれ合いとか、人と人のつながりとか…。それでも、仕方がないと割り切れるのだろうか? だとしたら、切ないほど寂しいね。
個人主義が悪いと言うのではないが、その結果として失うものを考えた上でのクレームであってほしい。人が人らしく生きてゆけるように。


人間国宝の製作という「伝統のうちわ」を、一枚パチリ。