港の見える公園で。 あのひとのポニーテイルは震えていた。
一枚の風信子7
別れを告げに来たひとに、ぼくはさよならのことばも言えず、港を出る船を見つめるばかりだった。セピアに染まった空から、ぽつりぽつりと冬の雨が落ちてきて、冷たいベンチに浅く腰かけたあの人の、美しいポニーテイルを濡らしていた。ぼくが17歳、あのひとは16歳。若すぎるということ。それだけで、ふたりが引き離されるなんて思いもよらなかった。春に萌えた淡い恋は、夏に華やぎを増し、実りの秋につながっていたのに。寂しいばかりの冬が、ふたりを待ちうけていたなんて。去り行くひとの手を握りもせず、肩を抱くこともなく、ただ遠ざかる影を追うことしかできなかった。
その約4年後、1968年に生まれたのが、
横浜出身のグループサウンズのこの曲「長い髪の少女」。
涙なしには聴けなかった。
長い髪の少女 孤独な瞳
うしろ姿悲し 恋の終り
どうぞ僕だけに 心をうちあけて
どうぞ聞かせてね 愛の物語
雨によごれた町で 貴女は一人
なくした恋なのに 影をさがす
きっと あの人は 忘れたいのさ
甘い口づけと ...
この動画のメインボーカルは私です。
私自身のキャッチコピーに往時を偲んで、一枚パチリ。
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